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      3.遅いな・・・ 
       
      
  
       
      「あいつを連れてったのはお前か?!」 
       バンッと派手な音立てて扉が開いたかと思ったら、スーツ姿の男性がずかずかと入って来た。店内にいた、こちらもスーツの女性が扉に目をやりながら応える。 
「ドア壊れてないでしょうね、信長様」 
「んな事知るか」 
      「社長が粗忽なせいで修繕費用がかさむなんて恥ずかしい話ですわ」 
      「勝手に連れてくとはどーゆーこった?」 
      「仕事の一環でしてよ。おめかしは当然です」 
「たかが猫だぞ?」 
      「大事な看板猫ですもの」 
       楽しそうな表情を向ける先には、トリミングルーム。信長の飼い猫がおめかし中なのだ。 
       
       
       
       会社も軌道にのり、ホテル代わりに事務所近くに借りた家をそろそろ引き払おうとなったのだが、ここで問題が発生した。 
       増え過ぎた猫の処遇である。 
       元々、人には譲りにくい出所の猫ばかり。 
       それにどの猫もそれなりに懐いてくるから、情も移っていた。 
       1、2匹ならともかく全部を自宅で飼うのは無理なのは分かりきっていたのだから、早々に引き取り手を探そうとはしたのだ。したのだが、信長自身は仕事に追われる身であり、到底裂ける時間などあるはずがなく。(一応)家事が仕事である家政婦に頼むのも気が引け、ましてや部下を使うなど公私混同は信長の最も嫌うものであったので論外。 
       結局ズルズルと今に至ったのだが、解決策は向こうからやってきた。 
       
       
       
「殿、あの猫屋敷の猫達どうするんですか?」 
       聞いてきたのは幼なじみであり信頼できる部下である前田という男だった。 
       手付かずの課題を目の前に突き付けられたように感じて、決済済の書類を渡しながらいらつきを抑えて素っ気なく応える。 
「お前には関係ねーだろ」 
「関係なくはないっすよ。俺が頼み込んで引き取ってもらったヤツもいるんすから」 
       そういえば、社内からの押し付け猫はコイツが最初だったと思い出した。 
「殿ん家行く度に出迎えてくれるなんて、超可愛いヤツですよね」 
       家内の猫は信長が帰ると全部起きてくるので、どの猫の事を指しているのか分からなかったが、それは黙ってやる事にした。 
「まだ何も決まってねぇよ」 
「えっ、引越し、一週間後っすよ?」 
「そんな事ぁは分かってるんだよ」 
       事が決まれば即行な信長なので、こんなにギリギリまで問題を抱えたままな状況は本当に珍しい。それをよく知る部下は、ではどうしたらよいものかと一緒に考えだした。 
       といっても、思い付く策といえば既に信長も検討済のものばかり。渋い顔をした信長と二人唸っていると、入室を求めるノックがした。 
「入れ」 
「失礼します。こちらの書類で確認したい点があるのですが」 
       入って来たのはシンプルなスーツ姿ながら華やかな雰囲気の女性、企画室長の帰蝶だった。 
「育児室新設の一時保留の件か」 
「事案の取り消しかと一部の社員から問い合わせが来ましたの。」 「施設新設の取り消しかと一部の社員から問い合わせが来ましたの。保留というより延期、ですわね?」 
「用意してた場所じゃパンクしちまうだろう」 
「予定人数が倍増しですものね。念のため再確認しておいて良かったこと」 
「それってこないだやった、育児室の利用予定の件ですか?」 
「申し込みが最初の確認時点の倍になりそうなの」 
「そりゃヤバイっすね」 
       福利厚生の一環として『社内に育児室の新設』を決定したものの、申し込みが予定を大幅に上回る人数になりそうだとの連絡がきたため、受け入れ体制の見直しを迫られたのだ。本格的な内装工事直前に判明した為、予定場所の2階フロアの半分はカーペット敷きと壁面塗装が終わった状態で止まったままであった。 
      『育児室』として上がった候補場所は、部署と人員を整理した際に開いた2階の半フロアと3階を検討した結果、人数的に2階が妥当と決定したが、ここにきて急遽待ったがかかってしまったのだ。 
      幸いにも使い途が未定だった3階を元に、現在急ピッチで図面の引き直し中である。 
「そうすると2階の用途を再検討しなくてはなりませんわね」 
「3階用の案だと面積不足っすよ」 
      「そうなのよ〜。ところで前田君、誰かがその決裁書類を待ってるんじゃなくて?」 
「・・・やっべー!!」 
       帰蝶の指摘に、前田君と呼ばれた相手は卓上に置き去りにされていた書類を抱え、慌てふためいて退出していった。 
       去り際に「殿ー、例の件、俺に内緒で決めないで下さいね!」と叫びながら。 
       なんでアイツの許可をもらわなきゃいけない事になったというのか。 
       目の前に戻ってきた問題に顔をしかめていると、興味を引かれたのか帰蝶が尋ねてきた。 
「大層お困りのご様子ですこと。ワタクシでよろしければ、お手伝い致しましょうか?」 
       少しくらい心配そうに言えば良いものを、これが全く楽しんでいますとしか聞こえない声音で言われるのだから面白くない。 
「お前には関係ねぇよ」 
「あら、上司思いの部下に対して、ちょっと冷たくありません?」 
       クスクスと笑いながら応える帰蝶は、信長の素っ気ない態度を気にする様子もない。 
「何となく察しはつきますわ。あのゴージャスな猫達をどうするかって所じゃありません?」 
      「・・・・・・なんで分かった」 
       気取どられるような言動をとった覚えはなかった信長は、驚きを隠せない。 
「そんなに驚かれる程の事じゃございませんのよ?今の信長様に差し迫った業務はないはずですし、お嫌いなデスクワークも見当たらないとなれば、プライベートな事でしょう」 
       プライベートで思い当たるのは引越し予定。 
       一度足を運んだ事のある家は、猫屋敷と呼ばれるのも頷ける状態だったと記憶している。 
       溢れかえる程の猫達の贈り主を考慮すれば、下手な相手に譲る訳にもいかないだろう。捨てるなんてもってのほか。(それ以前に、信長が『捨てる』という選択肢を選ぶとは思えないのだが) 
       限りある時間の中で引き取り先を探すのは容易ではない。なんといっても数が多すぎる。 
       自分が受け取ったのだから他人の手を煩わせるのは気が引ける。 
       結局引き取り先も見付からぬまま、引越し直前のこの時まできてしまったのではないか? 
「ざっと予想ですけれど、あながち外れてはいないようですわね」 
       語られる内容が『ずっと見てたんじゃないか?!』と言ってしまいそうな程そのままズバリだったので、最初の驚きから徐々に気味悪く感じ始めていた信長だった。 
「人をそんな気味悪いモノみたいに見ないで下さる?」 
       気分を害したのか眉をしかめて怒る表情も、どこか可愛いらしい。 
       しかし、ばつが悪そうな信長を見て機嫌を直したのか、またクスクスと笑いだした。 
「どなたかに頼むとかなさればよろしいのに。でも、それが出来る信長様ではありませんわね」 
       自社の社長が自身の問題を人任せにして良しとする性格ではない事など、側近クラスの者なら知り尽くしている。 
       かといって、全てを個人裁量で仕切るというタイプでもない。 
       任せると決めたからには、信長は横槍を一切入れない。どんなに危うい仕事振りでも、相手が何か言ってこないかぎり口だしする事がない。 
       放任に見られがちだが、部下達は口を揃えて否定する。 
『結果全てを受け入れるだけの器を持っている人だから出来る事だ』と。 
       信頼されていると感じるから。 
       それに応えたいと思わせる信長だから。 
       仕事は厳しくとも、部下は彼を慕うし付いていく。 
       しかしながら、家同士の付き合いで顔なじみではあった為、幼い頃のやんちゃっぷりを知る帰蝶としては今もって信長は『ナリの大きなわんぱく小僧』だったりするのだか・・・。 
       だいたい目の前の不機嫌な顔に押されているようでは、彼の下で仕事など出来る訳がない。ぶっちゃけこの会社に長く勤められる人間は、善くも悪くも根性が座った面子なのであった。 
      「あと一週間で引き取り先を見つけるのは大変でしょうね〜。あの可愛い猫達がどうなるのか心配ですわ〜」 
       セリフは気遣っていても、帰蝶の目が笑っている。 
       ちらっと寄越した目線は 
『ワタクシに案がございますますわ。いかがされます〜?』 
       と語っていた。 
       それは読み取れた。取れたのだが、どうも乗り気になれない。 
       渡りに舟と言っていいはずなのに、妙にひっかかる。 
       三日月のように細めた目が明らかに面白がっているからか。 
       しかし信長とて、これ以上悪くなりようがないのは分かっているし、つまらない解決策を出すような帰蝶では無い事も知っている。 
       つまるところ、自分で解決出来なかった事が面白くないだけなのだが。 
       だがしかし!! 
       悪く転ぶ事はないと感じるのと同じくらい、胸にモヤモヤ感が広がっていく。幼い頃から遊ばれてきた経験則が『何か企んでやがる』と訴える。 
       しばし交差する視線。 
       先に逸らしたのは信長だった。 
       これ以上は時間の無駄と諦めたらしい。意地を張れる段階を通り過ぎたと分かってもいたので。 
       大きなため息をつくと長い指で眉間を揉む。そして。 
「それじゃあ聞いてやろうじゃないか」 
       帰蝶を見上げ顔に、もう迷いはなかった。 
      「それでは信長様と会社、両方の問題を片付けてしまいましょう」 『・・・・・・やっぱ別の奴に任せよっかな』 
       ニッコリ笑って張り切る帰蝶に、軽い不安を覚える信長であった。 
       そして話は冒頭に戻る。 
       
       
       「今や都会のオアシスといってもおかしくない存在ですのよ。素敵でしょう『猫カフェ』!」 「どこがオアシスで何が素敵なんだか分からん」 
       肩を竦めて大袈裟なため息をつく姿は『これだから殿方って』と言わんばかりである。 「猫の居場所を確保できて、余ったスペースは有効活用。可愛い猫達にお客様は心を癒してもらい、私達もフトコロを潤せる。我ながらよく思い付きましたわ〜」 
       そう。帰蝶の案とは『疲れた現代人に癒しの場所をプレゼント!猫カフェを社内に作る』という物だったのだ。 
       設計変更から資材の準備から業者の手配に人員の確保などに2日。ビル内の改装に3日。猫を場所に馴染ませるのに2日。 
       衛生面や多少の問題点はあったものの、帰蝶の指示の元で着々と計画が進められ、あさってにはオープン予定である。 「信長様の家政婦さんを店員としてスカウトできてラッキーでしたわ。大人しい猫達ですけど、ずっと一緒いた人間がいた方が落ち着くでしょうし」 
       帰蝶は引越しと同時に契約終了予定だった家政婦のヒナタに、引き続き猫の世話係をしてくれないかと引っ張って来ていた。 
       一人では手が回らないだろうと、彼女の姉のヒカゲも雇う事が決定している。多くの資格持ちだというヒカゲはなんとVT(動物医療技術師)の資格も持っていたので、それを知った帰蝶を大喜びさせた。 「客が来なかったら潤うどころか投資損だぞ」 「そうならないようにするのが私達のお仕事でしょう?」 
       何をいまさらといった表情にムカついたが、ぐっと堪えた。倍返しになる事が分かっていて口に出すのは愚の骨頂だ。 
       それに、詰められた計画に採算有りとゴーサインを出したのは信長である。やると決めたからにはそれなりの成果を上げる。この点は企業のトップとして譲れない。 
       まあ、社員の福利施設のついで位のお遊び企画なので、赤字でなければ上々といった所の試算程度であったが。 
       
       
       
       そしてオープンを明後日に控えた今。信長が怒鳴り込んで来たのは、気合いの入ったヒナタとヒカゲに最後の仕上げを頼んだ帰蝶が出来上がりを確認している最中だった。 「どのコも由緒正しい血統書付きだけあって、なかなかゴージャスな見応えになってましてよ」 
       ご機嫌の帰蝶を前にして信長は不機嫌顔を崩さない。 「いま中に居るのはアイツだろ。あんなのに手間かける必要ないんじゃねぇのか?」 
      「何をおっしゃるかと思えば」 
       呆れたと言わんばかりの顔を睨みつけるが、脅しが通じるような相手ではない事は信長とて承知していた。 
       しかし、納得いかないのだから、仕掛けた張本人に聞くしかあるまい。突っ掛かった言い方になるのは、結局全て帰蝶の世話になってしまった事への気まずさからだろう。 「信長様。日吉さんをただの野良猫だと思ってらっしゃいますでしょ」 「その通りじゃねぇか」 
       取引先から贈られた血統書付き達と比べるのも馬鹿らしい位の、信長からすれば『普通』としか言いようのない猫なのだから。看板にすると言われてハイそーですかと返せるはずがない。 「確かに日吉さんは人気の品種などではありませんけれど、他の猫以上に貴重でしてよ」 「なんでだよ」 「雄の三毛猫だからですわ」 「三毛のどこが貴重だっつーんだ?」 「見事に予想通りのお返事で、ワタクシ喜んでいいものやら・・・」 
       信長の質問にため息で応え帰蝶は複雑と言うが、態度は明らかに『不出来な息子に歎く母』であった。 こめかみをひくつかせ始めた信長を横目で見遣り、からかうのもこの辺りまでかと読み取った帰蝶は説明を始めた。 
       雄の三毛猫は遺伝子の関係により滅多に生まれない事。 
       生まれても、生殖能力が無い為に一代限りな事。 
       これらの事から、人為的な操作が可能な血統よりも希少価値が高い猫として『雄の三毛猫・日吉』は十分アピール価値があるのだという。 「要するに、珍しいから見に来いよって事だな」 「端的に言ってしまえば」 
       それなら分からないでもないと頷く信長。 「その点から見れば、それなりの高値が付くはずですけど」 「あいつは売り物じゃねー」 「そうおっしゃると思ってましたわ」 
       ウフフと口元に手を当てて帰蝶が笑った。 「だって日吉さんは信長様一番のお気に入りですものね」 「そんな事は」 
      「気付いていらっしゃらないの? ここへ来られたのも、社長室に日吉さんがいなかったからじゃございませんの?」 
       
      【あいつを連れてったのはお前か?!】 
       
       自分が入って来た時の第一声を思い出し苦い顔の信長を見て、可笑しそうに帰蝶が笑う。 
      「邪魔しないからほっておいただけだ」 
      「日吉さん専用の寝箱と毛布まで持ち込んで?」 「あれは俺じゃねーよ」 
       信長はふて腐れたように呟いて、そっぽを向いてしまった。 「それを許したのはどなた?」 
       クスクスとおかしそうに笑う帰蝶。 
       ・・・面倒だからとか時間がないからとか、適当な理由が頭に浮かんでは消えていくが、どれもしっくりこない。 
       言葉を探すうちに、微笑ましいといった表情の帰蝶と目が合った信長は、たかが猫だと言いつつムキになっている自分に気がついた。 
      「ふん、馬鹿馬鹿しい」 
       
       昨日出社した信長は、社長室入口脇で日吉を抱くヒナタと、寝箱と毛布を抱えた秘書の滝川に出迎えられたのだ。 『社長がいらっしゃると日吉が出してくれって訴えるんです』 
       困り顔で佇むヒナタの腕から降ろしてもらった日吉は、信長の足元に座りこむと可愛いらしくゴロゴロと喉を鳴らしだした。 
      『昨日はこの猫が部屋に来たから社長の仕事がはかどったのだと考えられた平手さんが、いつでも猫が居られるようにとこちらをお持ちするように言付かりまして』 
       真面目な顔で真面目とも思えない内容を淡々と告げる滝川。 
       そして社長室の隅、観葉植物に隠れるように置かれた箱が、昨日から日吉の居場所(信長在室時のみ)になっていた。 
       日吉を社長室に居させる事について、邪魔にならなければどうでもいいと言ったのは本当だった。 
       しかしもう一つ。常々社長のフォローの為に胃を傷めている平手の心労がこれで少しでも軽くなるならと思ったのだろうと帰蝶はみていた。 
       信長は決して口に出しはしないだろうし、へそを曲げられても困るのでわざわざ指摘はしなかったが。。 
      「それにしても遅いな・・・。こんなに時間がかかるもんなのか?」 
      「二人とも張り切ってましたから。 ところで社長、お時間大丈夫ですの?」 
       ふと聞いた帰蝶の言葉に時計を見た信長はぎょっとして叫んだ。 「もうこんな時間か!」 
       慌てて戻ろうとした丁度その時、 「お待たせしました〜あっ、社長!!」 
       日吉を抱いてヒナタが信長の姿に驚いて声を上げる。 
       固まってしまったヒナタの腕から身をよじって抜けだした日吉は、嬉しそうに鳴くと信長の足元をぐるりと周り座り込む。 
       ゆったりと尻尾を振りながらじっと見上げる猫と、どうしたもんかと見下ろす信長。 
       信長は大きく息を吐くと、しょうがないといった感じで日吉を抱き上げた。 
「こいつは連れて行くぞ」 
「汚させないようにして頂ければご自由に」 
       にこやかに脅し文句を言った帰蝶に鼻をならし、肩に猫を乗せて信長は社長室へと戻って行った。 
       
       
       
「日吉がいないと落ち着かないのは信長様の方みたいですね」 
       ヒナタの後ろから出てきたヒカゲがフフッと笑う。 
      「自覚するのが遅いのよ」 
       手放しで可愛がれとは言わないが、妙な所で意地を張る信長にいらついて、ついついからかいすぎてしまった。 
      やっと日吉が気にいっていると認めたようなので、ひとまず良しと帰蝶はうなずく。 
「ずっと大人しかったあのコが急に落ち着かなくなったからどうしたのかと思ったんですけど」 
「多分、社長が来られたのに気付いたのでしょうね」 
       トリミングルームは防音になっていて、外の音は聞こえないはずなのに。 
       どうやら看板猫は社長室とカフェを行ったり来たりの生活になりそうだと帰蝶は予想する。 
      「滅多に会えない看板猫というのもおかしな話ですわね。日吉さんの愛想の良さでリピーターを作ろうと思ってましたのに」 
      「珍しさでお客を呼ぶんじゃなかったんですか?」 
       あれっ?と言った感じのヒナタに 
      「殿方にはそう言った価値的なものを訴える方が納得させやすいんですもの。 可愛いからなんて言ったって分かるはずありませんわ」 
       苦笑して応える帰蝶。 
      「ですけど滅多に会えないからこそ、お客様は通い詰めて下さるかも知れませんよ?」 
「そうなる事を祈りましょうか」 
       ヒカゲの言葉に頷いた帰蝶は、ひとつ背伸びをして気持ちを切り替えた。 
       明日から社長と猫のなんともいえないツーショットが見られる事を楽しみにして、別の仕事へ向かう為に帰蝶も部屋を後にした。 
       
       
       
                                             Fin. 
       
                                         2007.
      6. 7 
       
       
       
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