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絶望に似た紺色



「睨んでも仕方ねーぞ」
「分かってます」
でも睨まずにはいられない。
「全く。何がダメなんだ」
「何がダメなんでしょう?」
「俺に聞くな」
呆れられた。
「細切れにして混ぜちゃえば大丈夫、かも」
あまり細切れにされ、他の具材に混ぜられた状態で見たことがないから、あくまで仮定形である。
「たいして味なんかしねーだろうに」
「うーん、ビミョーな感じがダメなのかも」
「もうテメーは食うな」
「そんなぁ!」
セナの前に置かれた皿から、イイ匂いが立ち上る。
からっぽの胃をくすぐる誘惑と拒絶反応に、セナはさっきから格闘中なのだ。
「美味しそう…」
「なら食え」
「でも吐きそう」
「出てけテメー」
ヒル魔はセナを待つことなく自分の皿を減らしていく。
多分、きっと、いや絶対美味しい。
ヒル魔がセナに作ってくれた料理だ。
セナにはちょっと大人で、でも食べられない程でなく。
これが豆腐だったらなんて言ったら怒られるよね……


挽き肉と混ぜられた茄子紺。
これって絶体絶命のピンチ?




≫ 触れたくなる肌色 
『8Color』  SCHALK.様より
H21.4.1~H22.4.9 まで拍手に使用
2代目拍手の中で1番のお気に入り(笑)