存在を誇示する銀色



派手じゃないけど、目につく。
耳に2つずつあるソレ。

「痛かったですか?」
「忘れた」
「そうですか」
……それなりに痛かったと見た。
ヒル魔さんのことだから、自分で空けたんだろう。
「痛まないようガンガン冷やすって本当ですか?」
「あー、まあな」
「でも冷た過ぎるとかえってしもやけみたいで痛そうたなー」
「あー…」
「冷やしっぱなしにもできないでしょー」
「……」
「しかも4つ!絶対僕泣いてますね。ヒル魔さんてスゴイなー」
「…テメーわざとか」
「えーなんのことですかー」
「ムカつく」
「いひゃい、いひゃいです」
頬を引っ張られた。
それなりに痛い。
「痛かった痛かった。テメーにゃピアスなんざ無理だな」
ニヤリと笑われ、セナは引っ張られた頬を膨らます。
別にピアスがしたかった訳じゃない。
何気ない瞬間に光ったそれが、自分より近くにあるのが羨ましくて憎らしかっただけだ。
だから。
「ヒル魔さん、銀色好きですか?」
「ん?嫌いじゃねーな」
「分かりました。待ってて下さいね」
「何を?」
スラリとした手を取り、持ち上げてキスをする。
貴方が誰かのものだと、とても分かりやすい場所。
「僕が用意するまで空けてること」
ニッコリ笑うとヒル魔さんの目が真ん丸になった。
ヒル魔さんに似合う銀色を探そう。
ピアスなんか目じゃないくらいピッタリのヤツ!
「僕のはヒル魔さんが用意して下さいね」
それまで左手薬指、お互い大事にしましょうね♪





≫ 誰も知らない金色 
『8Color』  SCHALK.様より
H21.4.1〜H22.4.9 まで拍手に使用