誰も知らない金色



ヒル魔さんのイメージは金色だ。
そう言うと、たいていみんな納得する。
髪の色が目に飛び込む度にドキドキした。
最初は『何をさせられるんだろう』だった。
いつからか『何をさせてもらえるんだろう』になった。
いつでも前を向く背中は、僕には光を縁取ったかのように眩しく映る。
頼もしいデビルバッツの金の光り。


でも僕は知っている。
薄闇の中、僕を見る金茶の瞳。
滲む視界に強い光りは僕を縛り付ける。
空がしらみはじめ、差し込む朝日にほのかに透ける金髪。
まどろむ僕を温かく包み込む。


眩しい金色は隠す事など出来ないし、したいとも思わない。
だって僕は持っているから。
鋭く光る金茶。
淡く光る金。
この2つは僕だけのモノだから。
誰も知らない、僕だけの金色。





≫ でも、確かにそこにある無色  
『8Color』  SCHALK.様より
H21.4.1〜H22.4.9 まで拍手に使用